ニュース 電子 作成日:2009年3月2日_記事番号:T00013727
EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手の鴻海精密工業が、中国メーカーの低価格ノートパソコン(ネットブック)受託生産を開始した。中国販売市場に最近出回り始めた鴻海の受託製品は、既存の非大手ブランドの中国製品、いわゆる「山寨機(さんさいき)」に比べると価格が1.7倍ほど高いものの品質が良く、大手ブランド製品よりは安いため手ごろ感がある。鴻海は今年、年間200万台以上の規模に達するとみられる中国山寨機市場でも商機を期待できそうだ。2日付工商時報が報じた。
鴻海が受託生産する山寨機ネットブックは、10.2インチディスプレイで、中央処理装置(CPU)には米インテルの低消費電力プロセッサー、Atom(アトム)N270を採用、販売価格は2,499人民元(約3万5,600円)前後だ。現在一般に流通する山寨機の1,499人民元を上回る価格帯だが、Atom N280などを搭載する大手ブランド機種の約3,000人民元と比べると安い。
フォックスコンに生産を委託
鴻海のある取引企業は、山寨機ネットブックに「Foxsky」というブランド名を付け、鴻海傘下の富士康科技集団(フォックスコン)に生産とアフターサービスを委託している。フォックスコンの中国での知名度を利用し、高品質をアピールする戦略だ。 昨年からノートPCの受託生産に参入した鴻海は、これまでアップル、ソニーなど主に大手ブランド製品を請け負っていた。山寨機ネットブック市場への参入については、「ノートPC受託生産業務の実力向上に寄与する」という観測が出ている。
新たな大型ブランド誕生も
工商時報によると、中国の山寨機ネットブック市場では、性能はさておき、ただ売れればいいと考える業者もある一方で、品質を向上させて新商品を開発し、自社ブランドを打ち立てたいと考える業者もある。また、鴻海との提携以外にも、マザーボードの設計力不足を補うため、技嘉科技(ギガバイト・テクノロジー)や微星科技(マイクロスター・インターナショナル)が受託生産を引き受けるケースも出ている。中国の山寨機メーカーが技術力のある台湾企業と提携することで、数年後には新たな大型ブランドが誕生する可能性も否定できないと同紙は指摘している。
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