野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、台湾代表が1次ラウンドで早々に敗退したことを受け、劉兆玄行政院長は9日午前、体育委員会の戴遐齢主任委員に対し、月末までに野球振興計画を提出するよう指示した。劉行政院長はテレビで台湾敗退を目の当たりにし、「こんな結果は受け入れられない」と憤ったという。10日付聯合報が伝えた。
帰台した代表チームを桃園空港で出迎えるファンの少年。日韓と互角の試合ができれば台湾野球への国際的評価も高まるはずだ
(8日=中央社)
劉行政院長はまた、戴主任委員と野球振興策について協議し、社会人チームやプロ野球2軍の設立、地元密着型チーム経営、徹底した野球賭博の防止などの取り組みを体育委員会が主導するよう求めた。
現在、社会人野球は台湾電力と合作金庫銀行の2チームのみで、体育委員会は今後、中華電信や中国鋼鉄(CSC)、長栄集団(エバーグリーン・グループ)、台北県政府や軍部など各組織にチーム創設を打診していく構えだ。
このほか、民進党の蔡煌瑯立法委員は記者会見を開き、WBCの敗退は政府に責任があると批判しつつ、行政院に野球振興プロジェクトチームの立ち上げを呼び掛けた。また、国民党の楊瓊瓔・立法院党団書記長も、台湾野球界が一致団結できるよう体育委員会に求めるなど、与野党から野球振興策への意見が相次いだ。