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作成日:2009年3月17日_記事番号:T00014066
台鉄の女コナン、落とし物事件の8割は解決

名探偵コナンといえば青山剛昌氏の推理漫画・アニメ。冷静な推理で次々と難解な事件を解決してゆく主人公の江戸川コナンは、台湾でも人気の高いキャラクターだ。
漫画のコナンは架空の存在だが、台湾鉄路(台鉄)の彰化駅にはそのコナンが実在する。台鉄勤務約20年、2007年の彰化駅最優秀駅員に選ばれたベテラン駅員、黄林緞さんがその人だ。
「台鉄の女コナン」の異名を持つ黄さんは、列車内の落し物や落とし主を探す名人。彰化駅で発生する1日平均3~5件の「事件」も、黄さんの手に掛かれば、約8割が「解決」するというからかなりのすご腕だ。
通常、旅客が落し物を届けた場合は、駅員が遺失物として登録した後、落とし主が現れるのを待つ。しかし、黄さんは落とし主の出現をじっと待つのではなく、落とし主を探すため自ら行動を起こす。
遺失物として届いたビニール製の手提げ袋の中に、患者名の書かれた病院の薬袋があるのを見つけ、その病院へ電話して落とし主を探し出したり、落とし物の携帯電話にインプットされていた相手先電話番号に掛けて、電話の持ち主を探し当てたこともある。
落とし物をした場合、列車の座席番号が分かれば見つかる可能性は高い。しかし、落とし主がすでに列車から降り、自分が座っていた座席番号も忘れてしまったという場合でも、黄さんは降りた位置がプラットフォームのどの辺りだったかなどを聞き出し、座席が何号車だったかを推理する。
落し物や落とし主を探すコツについて、「細かい心配りと忍耐、そして落とし主と同じ気持ちになること」と語る黄さん。「私っておせっかいな性格なのよ」と笑うが、落とし主から迷惑がられたことはなく、みんな感謝してくれるとか。
ちなみに、台鉄の落とし物ベスト3は、携帯電話、手提げ袋、雨傘だそうだ。