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「Q2に景気後退脱却」、尹経済部長が見通し


ニュース その他分野 作成日:2009年3月17日_記事番号:T00014095

「Q2に景気後退脱却」、尹経済部長が見通し

 
 尹啓銘経済部長が16日、「第2四半期の後半には、景気後退は終わる」との見方を示した。「回復」見通しを示したものではないと強調しながらも、企業の在庫消化が進み、海外からの需要が戻り始めると予測した。実際に、産業界では年初からの緊急受注増加を受け、従業員に対する無給休暇の実施規模を縮小する傾向も出ている。一方専門家からは、現在の一時的な受注増から先行きを判断するのは早急である上、楽観的過ぎるとの批判も出ている。17日付蘋果日報などが報じた。
 

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 尹経済部長は立法院経済委員会で景気見通しについての質疑に応じ、「液晶パネル業界での在庫補充のための受注状況からみて、第2四半期後半には海外メーカーから通常の受注が少しずつ出てくる」と予想を示した。電子業界での緊急受注の増加に、(景気回復を意味する)「春を告げるツバメ」の到来が見られるかとの問いには、「いつかは去っていく(渡り鳥の)ツバメに例えるのは好きではない。『春江水暖鴨先知』(春に川の水が温かくなるとカモがまずそれを知る)だ」と答え、産業によっては既に回復がみられることを示唆した。

「景気判断は下半期の需要次第」
 
 これに対し、中央研究院経済研究所の呉中書研究員は、「欧米の景気見通しが不透明な中、輸出中心の台湾で景気後退がそれほど早く収束するはずがない」と疑問を呈した。

 宝華総合経済研究院の梁国源院長は、電子業界における少量で納入期間も短い突発的な受注が、今後の通常の受注につながると一概には言えず、ハイシーズンの第3~4四半期に需要が増えるかが景気を判断する鍵だと指摘した。

 また、中国技術学院の董瑞郝・商業学院院長は、米国の景気が来年回復するとすれば、台湾は1~2四半期遅れて来年中ごろに好転すると予測している。米国の回復が横ばいからゆっくりと上向きに向かう『L字』となるとみられることから、「台湾の景気は来年いっぱい、横ばいとなる可能性が高い」と語った。

電子・自動車業界、受注増も
 
 蘋果日報によると、一部の企業では、緊急受注により2~3月の売上高が予想を上回る見通しで、第2四半期の受注見通しも明るいようだ。

 パネル業界では、瀚宇彩晶(ハンスター)が従業員に対する無給休暇を月4日に半減、奇美電子(CMO)は7日勤務で1日休日というハードスケジュールに従業員から苦情さえ出ているという。

 EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手、鴻海精密工業の従業員からも、生産ラインではこのところなかった残業が求められるようになったという声が聞かれた。

 また、低迷が長く続いた自動車業界にもやっと光がみられ、トヨタ自動車台湾総代理の和泰汽車、台湾ホンダ、三菱自動車を扱う中華汽車工業などでは、今年1月から実施されている、小型車などの購入に対する貨物税(物品税)減免措置が効果を発揮し、生産能力が不足するほど受注が伸びているようだ。

 自動車部品メーカーでも、北米市場の在庫補充による需要増で、東陽事業集団(TYO)、台湾開億工業、大億交通工業製造などで2月に大幅な増収がみられた。
 
【表】