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作成日:2009年3月18日_記事番号:T00014098
白色テロ時代の個人資料、ずさんな管理が発覚
蘋果日報の調べでこのほど、国民党政権の白色テロ時代の収容所である司法行政部(法務部の前身)調査局の安康接待室(台北県新店市)が廃墟化し、内部の極秘資料がゴミのように放置されていることが判明した。歴史的資料に対する政府のずさんな管理に批判が相次いでいる。
1973年に建てられた安康接待室は、新店市の山間部に位置し、約800坪の敷地内に平屋の建物が2棟ある。ここは87年に戒厳令が解かれるまで、政治犯や刑事犯の収容所だったが、現在は法務部調査局が倉庫として使用している。
調査局公共事務室によると、これまで安康接待室には警備員を派遣していたが、人手不足のため、半年前から常駐を止め定期的な巡回に切り替えたとか。付近の住民によると、夜にはホームレスの休憩場所になっており、政府の管理下にある建物とは思えないという。
廃墟と化した安康接待室の内部には、ほこりだらけの家具や資料が散乱。黄信介元民進党主席や邱義仁前行政院副院長、柏楊(人権作家)など、約500人分もの白色テロ時代の個人資料や犯罪記録簿が乱雑に放置され、自由に回覧することができる状態だ。
歴史的な資料の他に、ホルマリン漬けの臓器や嬰児の死体が入ったガラスビンも残されている。大部分が60~80年に司法解剖で解剖された犯罪被害者のもので、その数約50点。まるで臓器博物館のようだ。
70年代、安康接待室に3~4年間収容された経験を持つ謝聡敏前国策顧問は、「もうないと聞かされていたこれらの資料が残っていれば、裁判の際に重要な証拠となる」と語る。
なお、個人資料が漏れたことで被害を受けた者は、損害が発生した時点から5年内に政府に賠償を求めることができるという。