中国資本による台湾投資解禁に向け、台湾の経済部はこのほど「大陸地区人民来台投資許可弁法」の草案を完成させ、行政院に提出した。中国資本の定義を「出資比率50%以上」に拡大し、単独出資、合弁、台湾企業への出資など、いずれの形でも台湾への投資を認める大幅な規制緩和が含まれる。次回の中台公式協議の議題とされ、早ければ双方の合意後に即施行となる見通しだ。19日付工商時報が報じた。
中国資本の定義は従来、両岸人民関係条例に従い中国関連の出資比率が20%以上の企業とされていたが、これが50%以上に緩和される。例えば中国企業が第三地の企業経由で台湾に投資する際、第三地の企業における持株比率が50%以上か、経営に実質的な影響力がある場合で中国資本として見なされるようになる。ただし、中国の軍事機関や国家機構などは台湾に投資できない。
草案はまた、中国資本に対し台湾企業の買収や、台湾支社・支店の設立も認めている。
ハイテク産業は対象外へ
投資できる産業については草案に明記されていないが、ハイテク産業など技術流出の恐れがある分野は開放されないもようだ。中台の事務レベルで協議が進められている投資対象は、インフラ建設や通信、製造、金融など。第3回公式協議後に、ポジティブリスト方式で発表される見通しだ。
中国資本による台湾投資の規制緩和と同時に、中国人専門職従事者に対する就労や居留の認可、労工保険(労働保険)の加入などに関する補完措置も講じられるとみられる。
就労ビザの停留期限、拡大へ
「大陸地区人民来台投資許可弁法」の施行に先駆け、就労目的で来台する中国人の停留期限が、3月中に現行の14日間から1カ月間に拡大される見通しだ。行政院があす20日、経済建設委員会(経建会)の陳添枝主任委員などを招集して協議するもようだ。
同時に、台湾企業が中国から人材を呼び寄せる際の規定も、現行では売上高3,000万台湾元(約8,600万円)以下の企業の場合は15人まで、それ以上の場合は50人までとされているが、緩和、または撤廃される可能性がある。
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