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海面上昇が加速、中南部沿海に水没の恐れも


ニュース 社会 作成日:2009年3月20日_記事番号:T00014164

海面上昇が加速、中南部沿海に水没の恐れも

 
 地球温暖化の影響を受け、台湾周辺の海面上昇が加速化している。今世紀末の2100年には、海面は現在より36~59センチ上昇し、海岸線は360メートル後退すると予測され、中南部沿岸は水没する可能性もあるという。

 1991年から基隆、高雄、台東富岡、宜蘭梗枋の4地点の潮位を観測している台湾大学海洋研究所によれば、台湾周辺の海面は年間平均で0.32センチ上昇。この数値は世界平均の0.18センチを大きく上回っている。

 また、台大大気研究所が、過去42年間の潮位記録と15年間の衛星資料を基に算出したところによれば、台湾周辺の海面は年間平均0.251センチ上昇しており、ここ10年の上昇速度は平均値以上だとか。

 台湾の海面上昇率が世界平均を上回っている原因は不明だが、黒潮や東北季節風(モンスーン)などの影響だとの見方もあるようだ。

 台大地理環境情報学科のシミュレーションによると、海面が6メートル上昇した場合、台湾全土の7%が水没するという。海抜の低い台南市では84%が、台北市では33%が水没する。海面が15メートル上昇した場合は台湾全土の12%が、25メートルでは17%が「消失」してしまうというから恐ろしい。

 海面上昇に加えて深刻な地盤沈下問題を抱えるのが、彰化、雲林、嘉義などの西南部。雲林県台西郷では旧暦7、8月の満ち潮の時だけ水没していた埠頭(ふとう)が、今では年間を通じて満ち潮になれば水没している。地盤沈下地域の海面上昇速度は、世界平均の10倍以上だ。

 なお、台塑集団(台湾プラスチックグループ)が海を埋め立てて建設した雲林県麦寮の第6ナフサプラントは、あらかじめ埋め立ての際に4メートルの高さを上乗せし、さらに3メートルの堤防を設置。今後50年間は心配いらないそうだ。