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AUOの7.5代新ライン、5月にも量産へ


ニュース 電子 作成日:2009年3月20日_記事番号:T00014193

AUOの7.5代新ライン、5月にも量産へ

 
 液晶パネル最大手の友達光電(AUO)が、設置計画がストップしていた同社2本目の第7.5世代ラインで、5月にも量産を開始するという観測が出ている。昨年下半期以降、韓国メーカーが大幅なウォン安を追い風に価格面で圧倒的優位に立ったため、台湾パネル業者は競争力の低下を余儀なくされてきた。しかしAUOは、3月以降台湾元とウォンの為替レート差が縮小していることなどを好感し、計画の再開を決断したとみられる。20日付工商時報などが報じた。
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 設備業者によると、AUO2本目の7.5世代ライン、中部科学園区(中科)L7Bライン(月産能力はガラス基板投入ベースで3万枚)は、既に設備機器の搬入を終えているが、同社が景気の低迷によりで大幅な減産措置を採ったことなどから、まだテストも終えていない状態だ。しかし設備業者は最近AUOから、同ラインで5月か6月の量産開始に向け準備を進めるとの通知を受けたという。

8.5世代も予定通りQ3稼働か

 また同社8.5世代ラインでも現在設備搬入が進められており、当初の予定通り今年第3四半期に量産を開始できるとの観測も出ている。ただ、8.5世代ラインでは、月産能力のガラス基板5万枚に対し、当初は2.5万枚で量産を開始する計画とみられる。

 こうした観測に対し、域内パネル2位の奇美電子(CMO)は、「現段階では依然、生産能力を満足させるほどの需要はなく、この時期に生産能力を拡充することはない」とコメントし、AUOの拡充計画再開に追随する考えはないもようだ。

「緊急受注は1年続く」

 AUOの陳来助総経理兼執行長は19日、最近相次いでいる緊急受注により、新世代パネル工場で稼働率が急速に上昇しているとして、「昨年のパネル産業には楽観する理由が見当たらなかったが、今年は悲観する理由が見当たらない」との見通しを語った。
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 陳総経理は緊急受注の増加について、「北米市場および中国大陸市場での需要の高まりによってサプライチェーンの在庫水位が低下、補充の必要性を促しているため」と分析した。ただ、昨年からの不景気を受けて産業全体が慎重姿勢になっており、「パネル100枚の需要があるにもかかわらず、まず20枚注文して、すぐに翌日また注文する」といった状況が続くとして、「今年は1年を通じて緊急受注が継続かもしれない」との見通しを示した。

 陳総経理はまた、同社が実施している従業員への無給休暇措置について、「需要の動向を考慮して調整する」と答えた。「いつ黒字に転じるか」との質問には「答えられない」と応じた。

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