万泰商業銀行は20日、損失が大きく、当面は損益均衡達成の見込みがない域内12支店を閉鎖することで、行政院金融監督管理委員会（金管会）の許可を受けた。同行は一度に閉鎖する支店数としては業界で過去最多で、米ＳＡＣプライベート・キャピタル・グループの方針の下、短期間での経営改善を狙った措置という見方が業界で伝わっている。21日付工商時報が伝えた。
閉鎖対象には、台北101ビル内の101支店、太平洋そごう復興館近くの復興支店、台北駅前支店と、台北市内の代表的な繁華街に位置する３支店も含まれ、注目を集めている。12店舗の閉鎖で、影響を受ける取引先は３万8,600件に上るとみられる。なお、万泰銀の域内支店網は49支店に縮小する。
同行は昨年の税引き前損失が128億4,200万台湾元（約365億円）と、地場系37行で最悪で、金管会は既に同行に対し、６月末までに増資を終えるよう通告している。
金管会関係者によると、同行は今年２月から組織再編を行い、消費者金融と企業向け業務をエリアごとに１カ所に集中させ、各支店では預金・両替と資産運用業務を中心に据え、コスト節減に取り組んでいるという。
