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亜洲光学、フレクス社とデジカメ合弁


ニュース 家電 作成日:2009年3月24日_記事番号:T00014253

亜洲光学、フレクス社とデジカメ合弁

  光学機器ODM(相手先ブランドで設計から製造までを担当)メーカー、亜洲光学(アジア・オプティカル)は23日、シンガポールの電子機器受託生産サービス(EMS)、フレクストロニクス・インターナショナルと合弁でデジカメの受託製造会社を設立すると発表した。亜洲光学とフレクス社を合わせたデジカメの年間出荷台数は1,700万台で域内首位の鴻海精密工業に迫り、今後は鴻海をはじめ佳能企業(アビリティ・エンタープライズ)、華晶科技(アルテック)など域内大手にとって強力なライバルとなりそうだ。24日付蘋果日報などが報じた。

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 亜洲光学の吳淑品財務長(CFO)によると、新会社の資本金は500万米ドルで、出資比率は亜洲光学80%、フレクストロニクス20%となる。社名は暫定的に「アジア・オプティカル・インターナショナル(中国語名、亜光偉創力)」とし、中国・広東を生産拠点に第2四半期にも生産を開始する方針だ。なお、亜洲光学は米GE(ゼネラル・エレクトリック)、フレクストロニクスはカシオ、コダックを主な顧客としている。

ODMとEMS融合で相乗効果を

 吳財務長は、「デジカメ市場は、高画素の追求から高倍率ズーム機能へと焦点が変化しており、新会社が次世代デジカメ市場で優位に立つ上で当社の光学ズーム核心技術は大きく貢献する」と強調。また、「ODMメーカーとしての当社の能力とフレクストロニクスの高度な研究開発(R&D)能力を融合させて相乗効果を生み出し、消費者に多機能、高品質、低価格の製品を提供していく」と抱負を語った。

 2006年に普立爾科技(プレミア・イメージ・テクノロジー)を買収した鴻海は、昨年のデジカメ出荷台数が約2,000万台だ。また、同グループはレンズの自社調達率も高く、日系ブランドからの受注にも成功している。今回の新会社設立に対し、アナリストからは「短期内に鴻海にとって脅威となることはない」(元大研究中心)、「今後の受注能力強化につながる」(富邦証券)といった異なる反応が挙がっている。

 また、ODMメーカーとEMSメーカーの提携についても効果は未知数で、業界では鴻海による普立爾科技の買収も、デジカメと携帯電話用カメラのシェア拡大には大きな貢献は果たしていないという見方も出ている。

デジカメ市場の再編も

 鴻海以外の域内デジカメ大手は、昨年華碩電脳(ASUS)が13%の出資を行った佳能企業、昨年1,000万台以上の出荷台数を記録したアルテックが挙げられる。佳能企業はカシオ、サムスン、ニコン、BenQなどを顧客とし、コダックからの売り上げが全体の7割を占めるアルテックは米系ブランドを主要顧客とするほか、中国市場へも参入している。

 フレクストロニクスと顧客が一部重なる両社は、「新会社が直ちに受注量に大きな影響を及ぼすことはないが、デジカメ市場の再編を引き起こす可能性は確かにある」という認識だ。

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