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作成日:2009年3月25日_記事番号:T00014258
密室の15分間、高鉄が運転手と女性乗務員を解雇

3月22日、16時36分高雄・左営発台北行きの464号列車。この台湾高速鉄路(高鉄)の運転室で、一体何があったのだろうか?
運転室に最も近い12号車に乗車したある旅客の目撃談によると、列車が発車する前、一人の女性乗務員が運転室のドアをノックして入室。15分後、列車が台南駅に到着すると、彼女はガムをかみながら運転室から出てきたという。
単なる状況描写にすぎないこの目撃談がネットに投稿されるや、大きな波紋を呼んだ。高鉄を運営する台湾高速鉄路公司(台湾高鉄)がさっそく事実確認に乗り出したところ、運転手(約30歳)と女性乗務員(約25歳)はいずれも事実を認めた。このため同社は24日、この2人を解雇処分にした。
高鉄の規則では、運転室に入室できるのは運転手と列車長のみ。また、勤務中であるなしにかかわらず、ガムをかむことは禁じられており、2人の行為は明らかな社則違反だった。
解雇された2人はいずれも勤務歴2年前後。調べによると、女性乗務員はこの日、勤務を終えて同列車で台北に戻るところだった。運転手と顔見知りだった彼女は、好奇心から運転室に入室し、運転席の右後方にある指導教官用の座席に座っていたという。2人は恋人同士ではなく、それぞれに交際相手がおり、運転室での逸脱行為はなかったと強調している。
台湾人運転手の育成にかかる時間は8カ月以上。必要とされる運転訓練時間は1,326時間にも上る。解雇された運転手は運転歴わずか1年余りで、高鉄の人材育成コストを考えると、欧晋徳高鉄執行長(CEO)が非常に心を痛めているというのもうなずける。