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長庚医院の医師、3300万元の詐欺被害に


ニュース 社会 作成日:2009年3月27日_記事番号:T00014318

長庚医院の医師、3300万元の詐欺被害に

 
 呉徳朗医師といえば台塑集団(台湾プラスチックグループ)創始者、故王永慶氏がわざわざ米国から長庚紀念医院に招聘した人材で、台湾有数の心臓内科医だ。その呉氏の妻で、同医院小児血液腫瘍科の医師、洪悠紀さんが3,300万台湾元(約9,600万円)もの大金を詐欺グループに騙し取られていたことが分かった。

 洪医師によると、今月13日、洪医師の携帯電話に板橋分局海山派出所の警官を名乗る男から電話が入った。「陳という男性からお金を受け取らなかったか?」と尋ねられ、洪医師がそれを認めたところ、彼女の銀行口座が詐欺グループに利用されている可能性があると指摘された。

 この「警官」から「この口座は詐欺、文書偽造、マネーロンダリング疑惑で凍結され、あなたは収監される」と告げられた洪医師はびっくり仰天。「とりあえず収監を免れるには、口座内の現金をすべて引き出し、台北地方検察署監管科に渡すことだ」と言われたという。

 洪医師はさらに「警官」の指示通り、詐欺グループに疑われないよう、8日間で十数回に分けて計3,300万元を引き出して「監管科の係員」に渡し、領収書を受け取ったという。

 洪医師は警察の調べに対し、「事件が拡大するのではないかと心配し、誰にも相談できなかった」と語っている。

 警察によると、昔は「宝くじに当選した」などと人間の欲望に付け込み騙す単純な詐欺が多かったが、今では恐怖心をあおるなど人間の心理を巧みに利用した手口が増え、洪医師のように高学歴で高い知能を備えた者でも十分だまされる可能性があるという。

 ここ数年、被害者の職業も多様化しており、元銀行幹部、新聞社社長、オリンピック金メダリスト、果ては暴力団組長までもが詐欺被害に遭っているというから、誰でもターゲットになり得るということだろう。