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温泉の人気者ドクターフィッシュ、海外では感染症も


ニュース 社会 作成日:2009年3月31日_記事番号:T00014385

温泉の人気者ドクターフィッシュ、海外では感染症も

  
 トルコなどの西アジアに生息するコイ科の魚、ガラ・ルファをご存じだろうか?体長5~10センチで、温泉の中を泳ぎ回って人間の古い角質を食べてくれるこの魚は、皮膚病の治療にも使われることから「ドクターフィッシュ」の通称を持つ。

 台湾ではここ数年、客寄せのためにドクターフィッシュを導入する温泉・SPA業者が増え、ちょっとした流行になっている。温泉に足を浸すと何十匹もの魚が群がり、古い角質を吸盤状の口で突ついて食べる。「チュッチュッ」とまるでキスをするようなその仕草は愛らしく、くすぐったい快感が走る。ドクターフィッシュの唾液には殺菌作用があり、傷口や皮膚病の治療に効くということで、ドイツでは医療行為として認められているとか。

 しかし一方で、米国では衛生上問題があるとして14の州が禁止。シンガポールでは、この療法により真菌に感染したケースも発生したという。

 台湾有数の温泉地、宜蘭県礁渓郷では5業者がドクターフィッシュを導入しており、人気を集めている。3年前からトルコ産ドクターフィッシュを入れているという礁渓山水大飯店によると、感染症などの問題は起こっていないという。訓練した台湾産の金魚「血鸚鵡」をドクターフィッシュとして使っている川湯春天温泉飯店も、「問題はゼロ」と強調している。

 ドクターフィッシュ療法について、専門家の見方は分かれている。亜東医院皮膚科の徐毓聆医師によると、臨床実験で傷口の殺菌効果が認められているのは蛭(ひる)だけ。ドクターフィッシュは効果が過大に宣伝されているばかりか、感染症を引き起こす危険性もあると批判的だ。

 一方、新店耕莘医院皮膚科の楊志雄医師によると、海外の研究では1日2回、計7~8時間同療法を続けたところ、21日間で乾癬(かんせん)が改善され、治療効果が認められたという。