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作成日:2009年4月6日_記事番号:T00014510
花火撮影コンテスト入賞作品、4割に合成疑惑

2008年秋に嘉義市で実施された国慶節(10月10日)花火写真撮影コンテストで、入賞作品28件のうち金賞、銅賞を含む11件に合成疑惑が持ち上がっている。もし合成であることが判明した場合、賞金は返還することになるという。
同コンテストは、国慶節に同市で打ち上げられた花火をテーマにして撮影の腕を競うもの。応募者数140人、応募作品数は351件に上り、5人の審査員が審査に当たった。
その結果、11月に28人の入賞者が発表され、賞金や賞品が贈られた。ちなみに賞金は、▽金賞、1万5,000台湾元(約4万5,000円)▽銀賞、1万元▽銅賞、8,000元──。
同コンテストの作品に関する応募規定では、撮影後の編集・加工は禁じられている。しかし、あるベテランカメラマンから、入賞作品のうち約4割がこの規定に違反しており、合成写真であるとの指摘が上がった。
それによると、例えば市立球場から見える花火を写した金賞作品の場合、市のランドマークである嘉義タワー上方に設置されている市花、バウヒニア・ブレイケアナ(香港蘭)の図案が、なんとタワー右上方の空中に、重複してうっすらと映っている。タワーと球場の照明塔の高さや距離間隔も不自然で、写真右上の縁にはもう一枚の写真の痕跡が残っているなど、合成写真であることは明白だという。
これに対し、金賞受賞者の南投県在住、林志芳さん(公務員、写真歴2年余り)は、「本当に合成したのなら、ボロがでないように隠すはず」と、疑惑を否定。濡れ衣だと主張している。
今回のコンテストで審査員長を務めた林宗輝嘉義市撮影学会顧問は、自分自身30年以上の写真歴を持つが、作品が合成かどうか肉眼では判断できないと認めている。
コンピューターソフトを利用すれば写真の編集や加工も自由自在の便利なご時世。審査員には、写真の審美眼のみならずコンピューターの知識が必須なようだ。