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作成日:2009年4月7日_記事番号:T00014544
中国メディアの海外戦略、台湾で新聞・雑誌発行も
中国国家新聞出版総署は6日、メディア・出版業に対する新たな政策指針「新聞出版体制の改革推進に関する指導意見」を発表し、中国メディアの台湾進出を促進する姿勢を明らかにした。
「指導意見」が奨励しているのは、一定の条件を備えた中国メディアが積極的に海外に進出し、独資、合弁、提携などさまざまな形で現地に出版機関や印刷工場を設立し、出版物を発行すること。開拓目標には台湾や香港、マカオ市場も含まれている。
中国メディアの海外進出奨励は、国際社会における中国の影響力拡大と中国に有利な世論形成が目的だ。しかし、メディアは資金さえあれば作れるが、真に影響力を持てるかはまた別の話だ。中国にはメディアを発展させるための基本的な条件「報道の自由」がないためだ。
中国では現在でも出版物は党の厳しい管理下にあり、大部分の新聞や雑誌は共産党の宣伝機関。例えば、中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は、1985年に海外版を刊行し、世界80カ国以上の国・地域で発行されている。しかし、購読者は政府関係者や研究機関がほとんど。金を払ってまで中国政府の宣伝物を買い求める一般消費者はいない。
蘇俊賓新聞局長によれば、台湾では目下、自然、地理、歴史文化、レクリエーションの4分野で中国の雑誌の繁体字版が、および中国書籍の繁体字版のみ、制限付きで発行を許可されている。将来、台湾で中国の新聞の発行が開放されるには、対等な開放が前提条件だという。