自転車最大手、巨大機械工業(ジャイアント)の販売会社・捷安特は、台北市に昨年4月オープンした世界初の女性用自転車専門店「リブ/ジャイアント(Liv/giant)」が人気となっていることから、今年、新たに2店舗を追加で設ける。北京、東京、ロンドン、フランス、米国などのディーラーからも問い合わせが寄せられており、ジャイアントは今年、女性用自転車および関連商品市場の約30%成長を見込んでいる。
地上スペースは白を基調とした店内に、柔らかな照明で美術館のような雰囲気を演出している(7日=YSN)
昨年、敦化北路にオープンした地下1階、地上1階から成る台北旗艦店は、地上部分は展示も少なく、空間をゆったり取ったデザイン重視のスペースなっている。地下に降りると所狭しと商品が並び、いかにも自転車販売店の雰囲気だ。同店では計80坪に30種約60台の自転車とヘルメット、ウエア、シューズなど100種以上の関連商品を展示している。
来店者は30~40代が中心
朱英彰店長はワイズニュースの取材に対し、「来店客は30代、40代のキャリアウーマンが多く、昨年は1万元前後の折りたたみ自転車が人気だった」と語った。初年度の昨年は、販売台数1,000台以上、月平均で100万台湾元(約300万円)の売上高を記録。今年は20%の増収を狙う。
朱店長はまた、昨年は流行もあってよく売れたが、現在は本当に自転車が欲しい人が買う正常な状態に落ち着きつつあると語る。今年は、これまでの売れ筋商品のほか、4月中旬から世界的クリスタル・ガラスメーカー、スワロフスキーのクリスタル・エレメントをあしらったロードレーサー「AVAIL Diamond」を発売(域内50台限定)するように、個性的なデザインの製品にも注力する。同製品の予約価格は6万元だが、これまで最も多くの問い合わせを受けているという。
捷安特は台北旗艦店の人気を受けて、今年下半期に2号店を高雄市に、その後、台北県板橋市にも「店中店」方式で3店目をオープンする計画だ。高雄市は気候が自転車に適しており、南部の女性用自転車市場の発展の可能性を好感している。
地下スペースは自転車に関連するあらゆる商品が多数陳列されている。車体以外では自転車用パンツが人気商品だ(7日=YSN)
下半期に北京店オープン
7日付工商時報によると、ジャイアントで「リブ/ジャイアント」事業を主導する杜綉珍執行副総裁は、女性専門店の海外展開について「本来は来年からスタートさせる予定だったが、劉金標董事長(76)の『北京~上海ツーリング』イベント(5月初旬)に合わせ、北京で下半期に中国初となる女性専門店を『店中店』方式でオープンさせることを計画済みだ」と明かした。
北京店は北京首都国際空港、花き市場、別荘エリアの近くに店舗を構える予定で、杜副総裁は「ジャイアントにとって『正しい』立地条件であり、店中店方式だが、面積は台北旗艦店より広い」と自信を示した。
その他の海外展開については、欧米の自転車店はスポーツ店としての色合いが強く、アジアではファッションとスポーツが融合したイメージを備えているとみており、「欧米での展開にはもう少し検討が必要」としている。