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東部海岸のトコブシ養殖業、ウイルス侵入で壊滅状態


ニュース 農林水産 作成日:2009年4月8日_記事番号:T00014586

東部海岸のトコブシ養殖業、ウイルス侵入で壊滅状態

 
 1990年代に隆盛を誇った台湾東部海岸のトコブシ(食用貝)養殖は、ここ数年ウイルス感染による被害が深刻化し、台東県ではもともと30カ所以上あった養殖場がほぼ壊滅状態となっており、エビやアワビ養殖などへの転換が進んでいる。8日付中国時報が報じた。

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20年心血を注いできたトコブシの養殖池を、李中和氏はむなしそうな表情で眺める(7日=中央社)
 
 台東県では最盛期、年に2億5,000万個のトコブシを生産し、全土生産量の9割を占めていた。しかし現在ではわずか1、2の業者が養殖を続けている状況で、周辺産業で数百人の失業者が出ているという。

 かつて台湾最大規模の養殖場を経営していた「新東洋」の李中和氏によると、ウイルス侵入の原因は、8年前にトコブシの種苗が着床しない病気が発生したことから多くの種苗生産業者が中国に生産場を移し、同地で育てた種苗を台湾に持ち込んだこととみられる。行政院農業委員会水産試験所の研究員によると、現在ウイルスを防ぐ有効な手立てはない。李氏は「ウイルス感染により、ここ数年、トコブシの生育率はゼロに近づいている」と嘆く。

 李氏は、「往年の活気を取り戻したいが、見込みはほとんどない」と語り、20年以上続けてきた養殖場をまもなく閉鎖し、エビ養殖に転換することを決めた。