台塑集団(台湾プラスチックグループ)傘下のDRAM大手、南亜科技、華亜科技(イノテラ・メモリーズ)およびその技術パートナーである米マイクロン・テクノロジーは9日、政府主導で設立されるDRAM新会社、台湾記憶体公司(TMC)とは提携しないと表明すると同時に、「TMCと同様の産業枠組みを成立させる」という構想を明らかにし、その他の域内DRAMメーカーやIC設計業者に参加を呼び掛けた。また、政府に対し「TMCと同等の補助または支援を要求する」と強調した。10日付電子時報が報じた。
マイクロン陣営が「もう一つのTMC構想」を表明したことに対し業界からは、「TMCとリソースの奪い合いになることを意味する」との見方が出ている。今後力晶半導体(PSC)、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)のDRAM各社のほか、鈺創科技(イートロン・テクノロジー)や晶豪科技(エリート・セミコンダクター・メモリー・テクノロジー)といったメモリー設計業者も2大陣営のターゲットとなるとみられる。なお、これについて力晶は同日、「エルピーダとの提携関係を続けるため興味がない」とコメントした。
南亜科技の呉嘉昭董事長は、「当社は技術開発に400億台湾元(約1,200億円)を投じる5カ年計画で、既に800人の技術チームを育成しており、2012年には独自に発展させられる技術力を保有できる見込み」と話し、「これは『技術を台湾に根付かせる』という政策に合致しており、政府は軽視すべきではない」と強調した。