ニュース
社会
作成日:2009年4月21日_記事番号:T00014854
中横高速公路にご用心、急性中耳炎が多発
台中県霧峰と南投県埔里を結ぶ全長37.6キロメートルの高速道路、中横高速公路(国道6号)の全線開通から、きょう21日でちょうど1カ月。所要時間が従来の2時間から40分に短縮されたとあって、休日ともなれば交通量は1日延べ4万台と、利用者が激増している。
ところが、この国道6号の開通以来、急性中耳炎で埔里の耳鼻科に駆け込むドライバーが増えているという。4月初めの連休に台北から埔里へ遊びに行った周さんもその一人。軽い風邪をひいていた彼は、中横高速を利用して埔里に到着したが、耳が痛くなって病院へ行ったところ、急性中耳炎と診断された。
埔里の耳鼻科開業医、呉錦翼医師によると、このようなケースはここ1カ月で8件も。患者は風邪をひいた状態で中横高速を運転しており、特に壮年層が多いという。
振興医院耳鼻咽喉科の陳光超医師によると、風邪をひくと鼓膜内外の気圧を調節する耳管(じかん)が腫れるので、高度差の大きい区間を高速で移動すると、耳管の働きが悪くなり、急性中耳炎を引き起こしやすくなるという。
これは、飛行機の離着陸時の急激な気圧の変化で起こる航空性中耳炎同様、速度と高度に関係があり、スピードが速いほど、高低差が大きいほど、発生する確率が高くなるとか。
中横高速で高度落差が最も大きいのは、海抜260メートルの国姓1号トンネルから、海抜497メートルの埔里に至る18キロ区間。ここを時速90キロの制限速度で走行した場合、12分間で237メートルの高度変化に適応しなければならないことになる。
急性中耳炎は鼓膜が破裂し、難聴になったり聴力を失う場合もある。医師はガムをかむ、あくびをする、30分~1時間前に血管収縮剤を服用するなどの予防を呼び掛けている。