来週27日に澎湖県で、域内で初めて次世代高速無線通信規格WiMAX(ワイマックス)の商用サービスを開始する大同集団の林蔚山董事長は21日、今後5年間で100万ユーザーを獲得すると意欲を語った。下半期以降、高雄市など南部での事業展開やサービス内容の充実に努め、5年後の年間売上高100億台湾元(約290億円)を目指す。22日付工商時報などが報じた。
大同大学のWiMAXイベントに出席した林蔚山董事長(右)。利用した学生からは、30分かかっていた映画のダウンロードが5分以内でできたと驚きの声が上がった(21日=中央社)
21日は傘下の大同大学(台北市中山区)で、WiMAX環境を実現させるイベントを行い、教職員や学生らが利便性を実感した。
厳福心大同電信総経理によると、経済部工業局が進めるWiMAX普及に向けた「M(モバイル)台湾計画」を通じ、同社は既に8,000件のユーザーを有しており、さらにテストユーザーも6,000件余に上る。澎湖に続き、7月に高雄市、年内に高雄県、屏東県、花蓮県でサービスを開始する予定で、今年中に数万件のユーザー獲得が期待でき、100万ユーザーに達するのに5年もかからないと自信を見せた。
5年でさらに50億元投資
林郭文艶・大同電信董事長は、価格競争には参入せず、サービスで他社との差別化を図るという方針を語った。大同電信はWiMAX事業に既に10億元以上を投じており、今後5年でさらに50億元をかけてデータ通信、マルチメディアサービスに加え、遠隔医療、ホームセキュリティ、老人介護などの分野までサービス内容を拡大する計画だ。経済日報によると、月額使用料は1,000元に設定しているもようだ。
戦略提携を示唆
林蔚山董事長はまた、今後増資を予定しており、将来的には域内外の企業と戦略提携を結ぶと考えを示した。インテルが大同電信への出資に積極的だという観測に対し、林郭文艶董事長は、「当社に出資を望む企業があるならば大歓迎だ」とコメントした。大同電信の現在の資本金は11億元だ。
資訊工業策進会(資策会)の王偉副執行長によると、WiMAX産業の世界全体の生産額は2012年に269億米ドルに達し、15年に世界で1億ユーザーを突破する見通しだ。台湾はWiMAX製品の最大の出荷拠点として、今後の商機を期待している。
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