中央政府の予算の研究、分析などを担当する立法院予算中心(予算センター)は24日、台湾DRAM産業の再建に向け、政府主導で4月末にも正式設立が予定されている台湾記憶体公司(TMC)について、「同社によってDRAM産業のアップグレードが促されることはなく、設立の必要はない」と結論づけるレポートを提出した。25日付経済日報が報じた。
予算センターは同レポートの中で、「TMCは既存メーカーを統合する効果がないため、将来生産能力をコントロールすることができない」とし、さらに「既存メーカーと属性が重なり、悪性競争を引き起こす可能性がある」という懸念を指摘した。
またTMCは設立に向け、行政院国家発展基金(国発基金)に対し300億台湾元(約864億円)の出資を申請するとみられるが、予算センターはこれに対しても「出資すべきではない」とした上で、「政府が出資に固執するのであれば、創業にかかる予算を立法院で審議すべき」と提言した。
一方TMCの宣明智招集人について24日、技術提携先に決定したエルピーダメモリが日本政府からの資金援助受け入れによりTMCとの提携を中止するという観測が流れ、これに基づいて召集人を辞任するのではないかとの憶測を呼んだ。しかし尹啓銘経済部長は同日、「数多くの批判にさらされて苦しんでいるだけだ。辞任はあり得ない」と否定した。