ニュース 電子 作成日:2009年4月30日_記事番号:T00015097
遠伝電信(ファーイーストーン・テレコム)と、4億7,000万件のユーザー数を誇る世界最大の通信キャリア、中国移動通信(チャイナ・モバイル)が29日、戦略提携を発表した。チャイナ・モバイルは遠伝に12%の出資を行うと表明しており、実現すれば中国資本による初の台湾企業への投資となる。先ごろ開かれた中台公式協議では、中国資本の台湾投資について台湾側が1~2カ月以内に実施案をまとめるとする共同声明が出されたが、遠伝が該当する第一類電信業者は現段階で投資開放の対象に含まれておらず、今後の政府の対応が注目される。30日付工商時報などが報じた。
29日香港で行われた提携契約の調印式で契約書を交わす徐旭東・遠伝董事長(前列右)とチャイナ・モバイル王建宙董事長(前列左)。テレビ会議方式で台湾メディアに対する記者会見が行われた(29日=中央社)
両社の提携契約によると、チャイナ・モバイルは今後、台湾に100%子会社を設立。同子会社を通じて遠伝の第三者割当増資で新規発行の4億4,300万株を引き受け、董事1人を派遣する計画だ。出資総額は177億7,400万台湾元(約512億円)を予定する。
「現段階では認められない」
しかし、経済部投資審議委員会(投審会)は「政府は依然大陸(中国)資本による台湾投資管理法を公布しておらず、現段階で申請は受理できない」としており、NCCも「現行規定では大陸資本は台湾の電信事業に投資できない」と指摘した。
これに対し遠伝の徐旭東董事長は、「法律のことはよく分からない」としつつ、開放されていなくとも6月の株主総会で同計画に承認を受け、その後台湾証券交易所(証券取引所)、行政院金融監督管理委員会(金管会)、投審会、NCCなど関連当局に許可を申請する考えを示し、「第4四半期には関連手続きを終えたい」と語った。
また、「チャイナ・モバイルは遠伝の経営に介入するか」との質問に徐董事長は「ない」と述べ、「チャイナ・モバイルの出資は単純な投資で、企業管理にも干渉しない」と答えた。「台湾の通信機密が漏れるのでは」との懸念に対しても「通信安全上の問題はない。株主とは関係なく個人情報保護法は厳格に守る」と反論した。
台湾投資の模範例に
今回の提携について市場では、チャイナ・モバイルによる増資引き受けは、遠伝株の29日終値を13.6%上回るプレミアム価格となるものの、経営権獲得は目指さないとするなど好条件を提示していることから、「チャイナ・モバイルは中国資本が台湾の通信業者に投資する上での模範例を示そうとしている」との見方が出ている。
中国で合弁会社設立も
遠伝とチャイナ・モバイルは、共同調達、国際ローミング、データおよび付加価値サービス、インターネット関連技術などでも提携を行う計画だ。両社は中国で、出資比率を遠伝49%、チャイナ・モバイル51%とする合弁会社を設立することでも合意した。同合弁会社は電信事業に関する付加価値サービスやソフトウエアなどの各種サービスを提供する見通しだ。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722