今年6月卒業予定者の平均初任給は、世界的な景気低迷を受け、大幅な減少が見込まれている。求人情報大手、104人材銀行が14日発表した調査によると、大卒で前年比5.5%減の2万7,257台湾元(約8万円)。さらに、大学院卒では過去最悪の8.9%減(3万517元)と、高学歴者ほど初任給の下落幅が大きい傾向が浮かび上がった。15日付聯合報などが報じた。
6月の卒業予定者は30万人に上るが、企業の現段階の新卒募集は6万4,000件と前年より43%も減少している。企業の32%が採用枠縮小などに伴い新卒向け求人を減らすと回答する厳しい状況の中、卒業予定者からは「仕事がありさえすれば、給与額は気にしない」という声さえ聞かれる。
業種別では、運輸・物流・倉庫で小幅な上昇がみられたものの、他は軒並み下落した。初任給が最高だったのは、電子・情報関連の2万9,226元で、次いで金融・投資コンサルティング・保険が2万7,297元だった。
職種別では、▽バイオテクノロジー研究開発(R&D)、3万511元(同2.3%減)▽エンジニア、3万326元(同4.7%減)▽光電・通信の研究開発、3万148元(4.1%減)──が3万元台を維持した。一方、▽顧客サービス、2万5,211元(同7.8%減)▽総務、2万4,621元(9.4%減)──は大きく落ち込んだ。
07年卒の36%、月収2.5万元以下
教育部の14日発表によると、2007年6月に大学を卒業した者のうち、卒業1年~1年半後に就業しているのは全体の50%で、06年卒業者に対する前回調査より4ポイント改善した。一方で、就職活動中の人も4ポイント増加し、17%となった。
ただ、就業中の大卒者の36%は平均月収が2万5,000元を下回り、5.4%に至っては1万5,000元以下で、苦しい生活を強いられているようだ。
教育部の何卓飛高教司長は、最近2年の調査から大卒者の就業状況は改善がみられるが、大学院への進学率は低下していると指摘。景気が思わしくない中、仕事を何とか見つけようという学生は増えているためと分析した。また、進学が割に合うかどうか迷う学生も出始めているもようだという。
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