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作成日:2009年5月21日_記事番号:T00015504
TSMC、解雇した元従業員に復職呼び掛け
台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は20日、ここ数カ月間に解雇した数百人規模の元従業員に対し、同社への復職を呼び掛けていることを明らかにした。昨年下半期以降の世界的な景気低迷を受けて従業員を解雇する企業が相次いだが、復職呼び掛けはTSMCが初のケースだ。21日付経済日報が報じた。
張董事長は、第2四半期は前期比で大幅な増収が見込めることから、既に最悪の時期は過ぎ去ったとの認識で、「人こそ財産。初めからやり直そう」と話している。
今回の呼び掛けでは、離職時のままの給与額、職位などでの6月1日付の復帰を求めている。復職者は、6月末の自社株現物支給(分紅)も受けられるという条件だ。ただ、離職時に受け取った解雇手当は返済しなければならない。一方、復職を望まない場合、解雇手当、割増退職金のほか、10万~50万台湾元(約29万~145万円)の退職見舞金が支給される。
解雇された元従業員らが設立した「自救会」は、張董事長による復職呼び掛けに感謝の意を示しつつも、昨年12月から今年3月までに解雇された約800人のうち、復職に応じるのは約半分に過ぎないと予測している。さらに、元従業員は業績評価を理由に解雇され、淘汰(とうた)されたという心のしこりが残っており、それに対する謝罪がないと指摘した。支給された解雇手当は既に使い切ってしまったとの声もある。