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作成日:2009年5月26日_記事番号:T00015570
駅長でさえ迷子に、台北駅は台湾最大の迷宮

「台湾最大の迷宮」と言えば「台北駅」だ。台湾鉄路(台鉄)、台湾高速鉄路(高鉄)、都市交通システム(MRT)の3つの交通機関が乗り入れる台北駅は、1日の利用者数が延べ20万~30万人に上る。
網目のように広がる計5本の地下街(B2階に新世界、中山、駅前、MRT台北駅地下街、B3階に台北地下街)と、70以上の出口が複雑に絡み合い、487枚の案内標識がひしめく台北駅はまさに迷宮。
同駅の複雑さには定評がある。台鉄の李永生台北駅長でさえ、「時々迷うことがある」と白状するほどで、高鉄の賈先徳スポークスマンも「台北駅の案内標識は確かに分かりにくい」と認めている。
毎日利用する通勤族や鉄道専門家でも、迷った経験を持つ人は少なくない。一般旅客や観光客ならなおさらのこと。台北駅に迷い込んだら最後、出られなくなってしまうことも珍しくない。
台北駅で待ち合わせる場合、よほど詳しい人以外は、地下街を集合場所に指定するのは無謀だ。鉄道専門家の鄭羽哲氏によると、1階で落ち合うのが最も無難で、新光三越ビルを目印にすると分かりやすいという。
台北駅にある計5カ所の駐車場も非常に分かりにくい。地下にある東および西エリアの各駐車場は、相互の直接連絡通路がなく、しかも出入り口にはエリア別の標識がないため、多くの人が混同してしまう。
台北駅がこのような迷宮になった原因には、設計が最初から悪かったのみならず、その後も規格が統一されていないことが挙げられる。鉄道専門家、鄭銘彰氏は、台鉄、高鉄、MRTの3社が日本のように標識を標準化することを提案している。
さて、6月から台北駅前の高速バスターミナルが稼働する予定だが、台北駅の地下街を通り抜け、バスターミナルまでたどりつくのは至難の業だという指摘も。台北駅でこれ以上「迷子」が増えなければよいが。