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作成日:2009年5月27日_記事番号:T00015604
ガス爆発を寸前感知、消防局がペット犬を表彰

高雄市消防局は26日、災害防止の手柄を立てたビーグル犬「大頭」(4)をたたえ、表彰状と2箱(800台湾元分=約2,340円)のレイシ(茘枝)を授与した。人ではなくて、犬の表彰はもちろん初めてのことだ。
大頭は、同市三民区九如二路の13階建てマンション「高殿九如華廈」5階に住む、黄慧玲さんに3年前から飼われている。レイシとマンゴーが大好物で、特にレイシは昨年2,000元分を平らげたという。
今月1日午前11時頃、夜勤明けで自宅に戻り仮眠を取っていた黄さんは、大頭が狂ったように吠え、寝室のドアを引っかく音に目を覚ました。大頭は隣家から漂う煙とガスのにおいを嗅ぎつけ、必死で黄さんに知らせようとしていたのだ。
黄さんがすぐに通報したことから、マンションのガス爆発は未然に食い止められた。かくして、大頭はマンション108戸の住民の「命の恩犬」となったのだ。
調べによると、黄さん宅の隣に住んでいた56歳の男性は、窃盗罪などの前科者。家賃(5,000元)を6カ月、管理費を13カ月滞納したため、家主と管理委員会から4月末に立ち退き要求を受けたという。
このため、この男性は家主と管理委員会に報復を企てたもようだ。室内には20キロのプロパンガスボンベ6本、ガソリン入りペットボトル26本が置かれ、さらに空っぽの鍋が加熱されていた。電線に引火させ、ガスとガソリンから爆発を起こす計画だったとみられる。
「犬は人間に一番忠実な友達。犬を飼っていて本当によかった」と黄さん。大頭はもらった賞状には目もくれず、ご褒美のレイシをうれしそうに食べていたという。