7,000万件を超えるユーザー数を誇る米国最大の通信キャリア、AT&Tが新たに調達する携帯電話製品リストが明らかとなり、全19項目のうち3機種が宏達国際電子(HTC)の製品であることが分かった。昨年HTCが獲得したAT&Tからの受注は1機種のみで、アナリストは「同社の米国展開にとって大きな前進」と評価した。今回HTCが受注した機種のうち、一つはグーグルのモバイルプラットフォーム「アンドロイド」を搭載したスマートフォンの第3世代機種で、8月にも発売される見通しだ。1日付経済日報が報じた。
観測によると、HTCは3代目アンドロイド携帯「Lancaster」について、AT&Tに6カ月の独占販売権を与えることで提携を結んだとされる。近年AT&TはアップルのiPhone販売に注力しており、HTC「Lancaster」は同社にとって初めて取り扱うアンドロイド携帯となる。同機種がiPhoneのようなブームを巻き起こせるかに注目が集まる。
HTCがこのほか受注したのは「Touch Pro2」および「Touch Diamond2」のウインドウズ(Windows)OS(基本ソフト)搭載機種で、ともに今年同社が重点機種としている製品だ。「Pro2」は「Fortress」の名称で5月末に発売済み、「Diamond2」は「Warhawk」の名称で8月中旬に発売予定だ。
アンドロイド戦略は有効に機能
HTCは昨年末、T-モバイルUSAと提携して世界初のアンドロイド携帯「G1」を発売し、知名度を上げている。マッコーリー証券の呂家霖ハイテク産業アナリストは、今年は同国最大手キャリアのAT&Tを通じての販売が決まったことについて、「HTCのアンドロイド携帯戦略が効果的に機能していることを示す」と指摘した。
霖アナリストは「Lancaster」の発売時期を9月か10月と予想、最初の3~4カ月で5万~10万台の販売が可能とみており、HTCの月間販売総数は100万~120万台に達すると予測している。
売上・出荷ともに年2けた成長へ
HTCは欧州通信最大手のボーダフォンとの提携により、既に5月から2代目アンドロイド携帯「HTC Magic」を欧州5大都市で販売している。さらに今回AT&Tから大型受注を獲得したことに対し経済日報は、「世界的な不景気で携帯電話販売が低迷する中、HTCは安定した成長基盤を手に入れた」と指摘し、「売り上げ、出荷台数ともに通年で2けた成長が可能」との見方を示した。
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