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作成日:2009年6月4日_記事番号:T00015732
「中台は人権改善で競争を」、天安門事件20年で馬総統談話
1989年6月に起きた、民主化を要求する学生運動を中国政府が武力で鎮圧した「天安門事件」から20年を迎えた4日、馬英九総統は「台湾を含め政府と人民の衝突はこれまで世界各地で発生してきたが、政府は不幸な歴史を直視することによってのみ、再発を防ぐことができる」との談話を発表した。また「両岸(中台)間には軍事面ではなく、法治と人権問題の改善での競争こそが必要で、中華民族の次世代のために自由で民主的な未来を作るべき」という考えを示した。4日付中国時報などが報じた。
馬総統はこれまで天安門事件に対し「機関銃で安定を維持するような国家は恥ずべき国家だ」(02年台北市長時代)などと厳しく批判してきた。しかし、総統就任後は「大陸(中国)の改革開放政策に一定の成果が見られる」(08年6月4日の談話)と評価するなど急激にトーンダウンしている。中国時報は今年の談話に対し、「近年で最も柔らかい表現」と分析した。
一方同日付自由時報は、「今回の談話では事件被害者の名誉回復について全く触れられていない」と批判し、「総統就任後、態度が一変した」と指摘した。
政府関係者はこうした声に対し、「総統は天安門事件が大陸(中国)の民主化および両岸(中台)関係に影響を及ぼすことを重視しており、人権問題に対する立場は変わっていない」と弁護した。