ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

台湾ホンダが国産車値引き、トヨタの値上げ封殺か


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2009年6月5日_記事番号:T00015788

台湾ホンダが国産車値引き、トヨタの値上げ封殺か

 
 台湾ホンダは4日、フィットやシビックなど台湾生産全車種の5,000~1万台湾元(約1万5,000~3万円)値引き実施を発表した。同社は自動車部品23項目の関税率半減を受けての措置と説明しているが、5日付経済日報は、ハイシーズンの販促手段であり、第3四半期に値上げを計画していたトヨタ陣営に見直しを迫る効果を生むと報じた。
T000157881

 
 台湾ホンダの値引き幅は、▽フィット、5,000元▽シビック、7,000元▽CR-V、8,000元▽アコード、1万元──。定価は変更せず、販売の際に値引きを行う。実施期間は6月1日から12月31日まで。

 政府による自動車部品23項目の関税率半減は5月26日に始まり、今年いっぱい実施される。経済部工業局の試算によると、これによる自動車各社の現地生産のコスト削減幅は1台当たり2,000元程度だが、台湾ホンダでは「当社は輸入部品の採用率が高いため、同業他社よりも削減できる幅が大きく、値引き余地が生じた」と説明している。

SUVで火花

 台湾ホンダの値引きについてある自動車業界関係者は、「年央の6月のハイシーズンに合わせた、販促手段と思われる」と指摘した。 経済日報によると、最も影響を受けるのはトヨタ車販売の和泰汽車だ。

 台湾ホンダは現在業界4位、和泰はシェア35%以上の首位だが、和泰の幹部は「ホンダは一目置くべき競争相手になる」と警戒心を隠さない。台湾でトヨタの独壇場を脅かす可能性があるのは、ホンダのみだと考えられている。

 両社の競争は激しく、和泰が昨年8月にトヨタのスポーツ多目的車(SUV)の「RAV4」(第3世代)をホンダの同カテゴリー車「CR-V」よりも低価格で発売したことで、CR-Vの販売台数に直接影響を与えた。

他メーカーに波及も

 今回、台湾ホンダが事実上の値下げを決めたことで、和泰は値上げ計画の見直しを迫られ、ホンダが反撃した形になったという。

 和泰は現段階で、台湾市場で自動車メーカーの価格決定の指標となっており、あるメーカーの幹部は「トヨタが値上げをしない限り、われわれも値上げしない」と語る。ホンダの値引きによって、和泰が値上げを見送れば、他のメーカーも値上げをするわけにはいかず、引き続き損失圧力にさらされることになる。

【表】