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大型パネル出荷、ハイシーズンの水準回復


ニュース 電子 作成日:2009年6月9日_記事番号:T00015847

大型パネル出荷、ハイシーズンの水準回復

 
 友達光電(AUO)と奇美電子(CMO)は5月の大型パネル出荷が好調で、ハイシーズンだった昨年第3四半期の水準を上回った。中国の液晶テレビ需要の恩恵を受け、売上高も前月比13%余り成長した。パネル業界は昨年中盤から冷え込み始め、世界的な景気低迷の追い打ちで両社は大幅な赤字に陥ったが、今年は例年オフシーズンに当たる5~6月が成長基調で、第2四半期は近年まれに見る前期比6割の増収も期待できそうだ。9日付工商時報などが報じた。
 
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 AUOの5月連結売上高は、前月比13.8%増の277億2,800万台湾元(約828億円)、大型パネル出荷枚数は同13.3%増の777万枚だった。奇美電の5月連結売上高は、同13.1%増の231億4,000万元、大型パネル出荷枚数は同13.5%増の635万枚だった。
 
 AUOは、6月に入っても市場の活況は続いており、増収、出荷増が望めるが、材料・部品不足が成長の足かせとなる可能性があると指摘した。奇美電も、末端市場の需要はかなり高いが、現状では主要材料のガラス基板メーカーの出荷状況を見なければならないとしている。
 
ガラス基板不足、解消は8月以降か
 
 パネル業界関係者は、設備稼働率の上昇に伴い、6~7月はガラス基板が30~40%不足すると予測している。ガラス基板最大手の米コーニングがガラス溶解炉の再稼働を進めているが、生産量拡大には一定の時間がかかるため、欠品状態が解消されるのは8~9月になるとの見方だ。
 
 市場調査会社、ディスプレイサーチの謝勤益副総裁は、ガラス基板やドライバICなど材料・部品不足でオファー価格が上昇すると予測。中国液晶テレビ市場の需要急増に加え、年初以降の米国液晶テレビ市場も予想ほどは悪くなく、AUOと奇美電の6月業績は5月を上回るとの予想を示した。
 
 両社の6月売上高も5月と同水準の成長となれば、第2四半期はAUOが前期比65.8%増の841億元、奇美電が同58.6%増の701億元と、大幅増収が実現することになる。
 
AUO、超薄型ノート向けに供給
 
 AUOは昨年超薄型ノートパソコンの「MacBook Air(マックブック・エア)」を発売した米アップルにパネルを供給している。今年は第3四半期に宏碁(エイサー)、ヒューレット・パッカード(HP)、デルも超薄型ノートを発表し、いずれもAUOのパネルを採用する。超薄型ノートは、今年下半期のノートPC市場の注目機種で、AUOの出荷拡大に大きく貢献しそうだ。
 
【表】