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どうりでうまいはず、菜食用食品の5割に肉


ニュース 社会 作成日:2009年6月15日_記事番号:T00015943

どうりでうまいはず、菜食用食品の5割に肉

 
 台湾では宗教上の理由だけでなく、健康のために菜食を取る人が多く、ベジタリアン人口は200万人以上に上る。ところが、彼らが口にする市販のベジタリアン仕様食品の5割以上に、肉類が混合されていることが判明した。

 法務部調査局がDNA鑑定技術を使い、台北県市の市販の菜食用食品31件をサンプル調査したところ、17件から肉の成分が検出された。肉が混じっていた菜食用食品はハムや水餃子などで、「偽物」率は55%と過去最高だった。

 中でも、朝市など市場で販売されている菜食用肉そぼろには、豚肉が20%以上混ぜられていたという。このほか、有名小売店の菜食用弁当からも牛肉の成分が検出された。

 調査局は、菜食用食品から肉類の成分が検出された理由として、業者が故意に添加した可能性と、製造過程で偶然混入した可能性を指摘している。

 前者は、菜食用食品の主原料である大豆類だけでは肉類が持つ食感や風味を引き出せないので、肉類の成分を混ぜたというもの。従って、本物に似た「おいしい」菜食用食品ほど、疑わしいことになる。

 後者の場合は、工場で非菜食用食品を製造した際に調理器具などに付着した肉類の成分を完全に洗い流さず、続けて菜食用食品を製造したケースが考えられるという。

 食品衛生法の改正で、7月からはベジタリアン仕様として現在使われている「可素食」「素食皆宜」といった表示が撤廃される。それに代わり、さらに詳しく区分した「全素或純素」「蛋素」など5種類の表示が義務付けられるが、いずれにせよ表示が事実と異なれば、最高30万台湾元(約90万円)の罰金だ。

 この改正に伴い、「偽物」菜食用食品が追放されることを祈るのは、ベジタリアンだけではないだろう。