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6月の設備輸入31%増、民間投資に回復の兆し


ニュース その他分野 作成日:2009年7月8日_記事番号:T00016484

6月の設備輸入31%増、民間投資に回復の兆し

 
 財政部が6日発表した6月の輸出入統計で、資本設備の輸入額が前月比31.6%増の21億8,000万米ドルとなった。20億米ドル台回復は8カ月ぶりで、同部は民間投資の回復の兆しとして注目している。6月は輸出総額も前月比で4.8%増加した。今後月ごとに好転し、早ければ11月に前年同月比でプラス成長を回復できる見通しとしている。8日付工商時報などが報じた。
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 6月の設備輸入のうち、前月比で輸入額の増加幅が最も大きかったのはウエハー設備で1億7,000万米ドル。台湾積体電路製造(TSMC)と聯華電子(UMC)が設備投資に積極姿勢に転じた影響とみられる。設備を含む機械全体の輸入額も前月比4億1,000万米ドル増(46.6%増)の12億9,000万米ドルとなった。 設備輸入の好転について陳添枝・行政院経済建設委員会(経建会)主任委員は、「良いニュースで、投資に対する自信回復がうかがえる。一部産業は動き始めた」と評価した。このほか、消費財の輸入額も過去8カ月で最高の14億米ドルとなり、特に自動車の輸入額は前月から5,000万米ドル増加した。 

11月にプラス成長回復

 6月の輸出総額は169億5,000万米ドルで、前年同月比では30.4%減ながら、前月比4.8%の増加となった。台塑集団(台湾プラスチックグループ)、台湾中油の東南アジア向け石油製品輸出が大幅に伸びたことにより、石油製品の輸出が31.6%伸びたほか、電機、情報・通信製品、機械の3項目で前月比10%台の成長となった。

 林麗貞・財政部統計長は、下半期は輸出はさらに好転し、11月には前年同月比でプラス成長を回復するという見通しを示した。ただ、台湾メディアからは「比較対象の昨年11月は既に金融危機の発生後であり、プラス成長は回復できて当然」という指摘もあった。

 6月の中国・香港向けの輸出額は、前年同月比30.2%減ながら前月比4.6%増の70億6,000万米ドルで、昨年11月以降で最高となった。特に部品を含む機械(1億3,000万米ドル増)、小型パネルを含む電機製品(9,000万米ドル増)、大型パネルを含む光学器材(7,000万米ドル増)の増加が目立ち、林統計長は中国の「家電下郷」効果が依然続いているという見方を示した。
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貿易黒字93%増

 上半期通期の輸出総額は889億9,000万米ドル、輸入総額は729億6,000万米ドルで、前年同期比減少率は34.2%、42.3%でそれぞれ過去最悪となった。ただ、財政部は当初予測値の878億7,000万米ドル(輸出)、728億米ドル(輸入)を上回ったため「景気回復について当初見通しよりも楽観できる」という見解だ。

 一方、上半期の貿易黒字は155億3,000万米ドルで、前年同期比93.1%の大幅成長となった。近年、増加が続いていた対中国・香港の黒字が前年同期比35.6%減の244億800万米ドルとなったものの、対米黒字は441%増の34億5,900万米ドルとなり、対日赤字が46.4%減少し87億5,100万米ドルとなった。

 なお、第2四半期の輸出総額は473億米ドル、貿易黒字は65億米ドルだった。いずれも行政院主計処の5月当時の予測値を上回ったため、宝華綜合経済研究院の梁国源院長は7日、第2四半期の経済成長率は0.5ポイント押し上げられ、マイナス8%になるという予測を示した。

【図】【表】