これまでベトナムへの投資に積極的な姿勢を見せていたノートパソコン受託メーカーの仁宝電脳工業（コンパル・エレクトロニクス）が、通貨ドンの大幅下落やストライキ多発を受け、展開の動きを鈍らせている。北部ビンフック省で建設を進めている工場は、第３四半期にテスト生産を開始する予定だったが、これを延期する。呂清雄同社広報担当は「今後の成長や一部顧客の需要に応じるため、ベトナムでの生産計画は今後も継続する」と語り、テスト生産の延期は「金融危機で受注が減少したことが主因」としている。３日付工商時報が報じた。
コンパルは「ベトナムに完全なノートＰＣサプライチェーンを確立する」という方針を掲げていたが、同国の不安定な情勢から、来年以降の成長に備えた新たな生産拠点の設置を、中国南京市で行うとの観測が出ている。
これについて呂広報担当は、「南京市政府はかなり有利な条件を提示している」と話したが、「（現在の生産拠点、昆山工場のある）江蘇省政府も引き止めに必死で、昆山で拡張する可能性もある」としている。
