ＩＣ設計最大手の聯発科技（メディアテック）は20日、米クアルコムからＷ－ＣＤＭＡ方式の第３世代（３Ｇ）携帯電話用チップに関する特許の無償授権を受けることで合意し、契約文書に調印した。21日付工商時報が伝えた。
合意によると、メディアテックの顧客が個別にクアルコムから特許使用を認められているため、メディアテックは特許使用に際し、事前払い金、権利金の支払いが免除される。メディアテックの３Ｇチップは年内にも正式に出荷が開始される見通しだ。
喩銘鐸同社財政長（ＣＦＯ）は「事前払い金、権利金を支払う必要はなくなるが、合意に基づけば、顧客がクアルコムから特許使用権を取得しない限り、３Ｇチップを出荷できない」と説明した。
一方、クアルコムがメディアテックの顧客に要求する特許使用料は数百万米ドルに達し、クアルコムの特許を正規に使用できるのは、一定規模以上の大手メーカーに事実上限られる。このため、メディアテックの３Ｇチップ出荷先は、「山寨機」と呼ばれるコピー携帯を生産する零細メーカーではなく、大手メーカー中心となる見通しだ。
