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作成日:2010年2月2日_記事番号:T00020758
ハンスター、タッチパネル主力に収益向上狙う
中小型液晶パネルに特化した中堅パネルメーカー、瀚宇彩晶(ハンスター)の周定輝総経理は1日、今年はタッチパネルに注力し、製品の付加価値を高めることで業績向上に努める方針を示した。2日付工商時報などが伝えた。
同社は今年注力する製品用途を、▽携帯電話▽オーディオ機器▽ナビゲーション製品▽ノートパソコン▽デスクトップPC▽ハンドヘルド機器──の6項目とし、それぞれ比率を2割前後と分散させる考えだ。また、中国の南京工場をタッチパネルモジュール生産にシフトし、傘下のカラーフィルター(CF)メーカー、和鑫光電(シンテック・フォトロニック)の主力製品をタッチセンサーにシフトさせ、タッチパネル生産を強化する。
同社が1日発表した昨年第4四半期の業績は、売上高が前期比2割減の140億5,500万台湾元(約398億円)で、43億4,000万元の赤字となった。単価と出荷枚数がともに下落し、米国での反トラスト規制に対する支出計上が16億元に上ったことが損益を悪化させた。このため同社の2009年通年の赤字は100億元を突破し、過去最悪となった。
なお、パネル業界では鴻海科技集団(フォックスコン)傘下の群創光電(イノルックス・ディスプレイ)による奇美電子(CMO)の合併決定後、中堅の同社などの動向が注目されているが、周定輝総経理は「大手との合併は考えていない」と他社との合併の可能性を否定した。