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作成日:2010年2月12日_記事番号:T00021001
たった1人の冬季五輪・台湾代表、リュージュで出場

カナダ・バンクーバーで開催される第21回冬季オリンピックがいよいよあす(台湾時間、13日)に開幕する。今回、台湾から出場するのは、リュージュ男子1人乗りの馬志鴻選手(24)のみ。前回2006年のトリノ五輪に続き、たった1人の台湾代表だ。
屏東出身の馬選手は先住民パイワン族。中学2年生で陸上競技を始め、高校でも400メートルハードルが得意だったが、その後、98年長野五輪ボブスレー代表だった鄭進三氏の啓蒙を受け、リュージュに転向。時速150キロにも達するリュージュのスピードと刺激に魅せられたが、いかんせん亜熱帯の台湾では訓練ができない。ルーマニア人コーチに就いて欧州各地を巡回し、集団訓練を受ける日々を送った。「初めは言葉も分からなくて孤独だった」と当時の苦労を語っている。
馬選手は、五輪デビューした06年のトリノでは3分35秒14の成績で、38人中28位に終わった。今回はバンクーバーに向けて、オーストリアで3カ月の特訓を受け、台湾に戻ってからはマラソンで体力を維持し、イメージトレーニングにも励んできた。
目下、ウィスラーで最後の調整を行っている馬選手は、台湾時間の13日バンクーバー入りし、同日行われる開会式では中華台北代表団の旗手も努める。「前回(トリノ)の結果にはまあ満足しているが、今回はきっといい成績が出せるはず」と意気込む馬選手。リュージュ男子1人乗り競技は、ちょうど春節(旧正月)に当たる14日(現地時間13日)に行われる。めでたい結果となるか。