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作成日:2010年2月22日_記事番号:T00021028
グアム旅行は身分証必携、未告知の旅行会社が敗訴

9日間に及ぶ春節(旧正月)休暇が終わった。休暇中、海外旅行を楽しんだ人も多かったようだが、台湾人に人気の旅行先、グアムにはちょっとご注意、というお話。
台北市在住の女性、頼淑芳さん(30)とその恋人、朱呈祥さん(30)は、旅行好きのカップル。二人は2008年8月、台湾からも近く、ノービザで入国できるグアムを旅行先に決め、ロマンチックなバカンスを夢見て、凱悦旅行社のツアーに申し込んだ。
出発当日、桃園国際空港に到着し、旅行会社のスタッフから搭乗券を受け取った頼さんはびっくり。ノービザでグアムに入国する条件として、「中華民国国民身分証(台湾の住民IDカード)とパスポートが必要」という注意書きがあったからだ。
海外旅行の経験豊富な頼さんは、「出境の際に身分証は不要」と思い込んでいたので、身分証を持参していなかった。さらに、今回の渡航では身分証が必要なことなどが記されたツアーの契約書や注意事項などの資料を頼さんにも郵送するよう、朱さんが出発前に旅行会社に依頼していたものの、旅行会社がそれを怠っていたのだ。
当然、頼さんは飛行機に搭乗できず、「まるで天国から地獄に突き落とされたみたい」と泣き崩れてしまった。朱さんも彼女を一人残してツアーに参加するわけにはいかず、せっかくのグアム旅行を断念する羽目に。
問題の発端は、頼さんが身分証の携帯が必要と事前に知らされていなかったことにありそうだが、旅行会社はツアー料金を返還しないという。そこで、怒った二人は法廷に訴えた。台北地方法院は、旅行会社に対し、頼さんのツアー料金2万7,000台湾元分のみ支払うよう求める判決を下した。「朱さんは自分の判断で旅行の権利を放棄したので、旅行会社には損害を賠償する必要はない」との判断だ。
二人は勝訴したものの、「もし旅行会社のミスで、子どもが飛行機に搭乗できなかったら、両親は子どもとともに残るのでは?」と怒りは収まらない。しかし、裁判のために何度も裁判所に足を運び、弁護士費用に数万元も費やしたので、もう上訴する気力もない。
凱悦旅行社は今回の一件で交通部観光局から制裁を受けたが、罰金はわずか1万元だった。なお、フィジーもグアム同様、台湾人はノービザ入国が可能のものの、身分証の携行が必要なのだという。