百貨店業界は春節(旧正月)の9連休(13~21日)中、新光三越百貨、太平洋崇光百貨(太平洋そごう)、遠東百貨の大手3社の合計売上高が50億台湾元(約140億円)に達するなど、昨年の春節連休中の業績を1~2割上回った。悪天候に見舞われた北部では、近場の百貨店で買い物を楽しむことにした消費者も多かったもようで、景気浮揚対策として消費券が配布された昨年の春節を上回る好調さは、景気の回復傾向を印象付けた。22日付経済日報などが報じた。
百貨店各社は赤い大きなランタンを飾り付けて春節ムードを盛り上げた。虎年は幸先の良い滑り出しとなった(中央社)
百貨店最大手、新光三越は、春節連休期間の台湾全土18店の合計売上高が昨年春節比11~12%増の27億3,000万元に上った。このうち最後の週末に当たる20~21日が6億元を占めた。特に台北信義店、台中店が好調で、連日1億元近い売り上げが続いた。
新光三越は今年の春節連休に初めて、銀行11行との提携で合計1万元以上のクレジットカード利用者に利用額の4~6%分に当たる商品券を進呈するキャンペーンを実施し、高額商品の購入増に結び付けた。冷え込みによってセール品の冬服は売り切れになるほどの人気となり、また、紅包(お年玉)を手にした若者らで3C(コンピュータ、通信、家電)商品などの売り上げも倍増した。
太平洋そごうは同期間、同9.5%増の12億5,000万元を売り上げた。同社は初の試みとして、春節の三が日に当たる14~16日、日本製のダウンジャケットやマフラーなどが入った福袋2種類、それぞれ50個限定を3,800元で発売し、客寄せに成功した。
遠東百貨の春節売上高は、同18%増の10億6,200万元で、目標の10%成長を大きく上回った。特に、昨年オープンしたばかりの花蓮店や帰省客の多い高雄店が好調だった。同社は、北部の悪天候により、帰省や旅行で訪れた東部や南部で滞在期間を延ばした人が多かったためと分析した。
量販店、1割増収
量販店各社も、春節は昨年比で1割の増収となった。
家楽福(カルフール)では、暖房器具や鍋料理の具材がよく売れたほか、室内で過ごした人が多かったため菓子類の売れ行きが良かったと指摘した。
愛買(aマート)は、三が日が過ぎてからはほぼ連日フードコートが満席となるなど、来客数が大幅に増えたとしている。除湿器やヒーターが昨年春節比で3~5割以上、防寒着は同2倍も売れ、同社全体では同3割前後の増収となった。
大潤発(RTマート)は、夜間の買い物に対する割引キャンペーンの実施で、深夜1~2時の来客数が2倍に増え、同社全体の同1割増収につながった。
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