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作成日:2010年2月23日_記事番号:T00021057
大火事もそっちのけ、基隆市長と里長が大げんか

春節(旧正月)連休が明けた22日、基隆市内の中心街で突然、火災が発生した。出火したのは、港に近い仁愛商圏エリアのアパートで、狭い通路が密集している場所だけに、消火活動は困難を極めた。
この日はちょうど、年明けの仕事始めとあって、張通栄基隆市長が火災現場近くの市場に新年のあいさつに訪れていた。火災の一方を聞いた張市長は直ちに火事現場へと急行した。
ところが、現場で消火活動に当たっていた楊春生里長(町内会長に相当・公選職)は、火事で頭がカッカしていたのだろうか、張市長を見るや「ふん、どうせパフォーマンスだろ」などと、いきなり激しく罵倒し始めたのだ。
一目散に駆け付けたにもかかわらず、罵詈雑言を浴びせられたのではたまらない。張市長は「何だって?なぜ私を罵倒する?」と応戦した。
しかし、楊里長の口からは信じがたい罵倒の言葉が次々と発せられる。堪忍袋の緒が切れた張市長が「訴えてやる」と息巻けば、頭に血が上った楊里長は消火器を振り回す…。2人が交える戦火は、火事の勢いにも勝るほどで、すんでのところで殴り合いになるところだった。ハラハラして見ていた周囲の人々がやむなく、「消火が先だ、けんかは後で」と2人を引き離した。
火事そっちのけでメディアの前で大げんかを始めてしまった市長と里長。全く呆れた2人だが、幸い火事は3時間後に無事消し止められ、負傷者も出なかった。なお火災は、テレビの消し忘れで起きた漏電が原因だということだ。