ニュース
社会
作成日:2010年3月1日_記事番号:T00021173
映画『艋舺』に感化、中学生が大決闘

2月5日に封切られ大ヒット中の台湾映画『艋舺(MONGA)』(鈕承沢監督)に感化された中学生たちが、映画をまねて深夜の学校で決闘する事件が高雄県で起きた。
1980年代の艋舺(台北市万華地区一帯の旧称)を舞台に、地元の若者とやくざが織りなす物語を描いたこの映画は、テレビドラマで大ブレイクした人気俳優の阮経天と趙又廷が主演。台湾色を強く押し出して支持され、興行収入は公開初日だけで1,800万台湾元と、ハリウッドの超大作『アバター』(697万元)を抜いた。興行収入はわずか18日間で2億3,000万元に達し、08年の大ヒット作『海角七号』(約100日間で5億3,000万元)を抜く勢い。今最も話題の作品だ。
若者の義侠心を熱く描いたこの『艋舺』に感化された高雄県の中学生、李君は、高雄市から転校してきたクラスメートとの間で携帯電話の貸し借りをめぐり口論となり、互いに仲間を呼んで「けりをつける」ことになった。
中学生と元在校生を含む7~8人が集結した李君側のグループがエアガン4丁を持参したのに対し、高雄市から来た中学生の一派十数人は、何も武器を持たずに乗り込んだため、相手からエアガンで撃たれたり、いすなどで殴られるがままだったという。その結果転校生のグループは4人が負傷し、そのうち2人にはエアガンのBB弾で撃たれたあとが何カ所も。教室の机やいすは壊され、床には血のあとがついていた。
この決闘は27日午後10時ごろ、巡回中の警官に見つかり収まったが、相手にけがを負わせた李君のグループの6人が警察に連行された。この6人はいつも行動を共にする仲間で、調べに対し、休みの日に一緒に『艋舺』を見て、その男気に感動したと口をそろえた。6人のうち2人の元在校生は以前にも補導歴があったが、4人の現役中学生は今回が初めてで、「おおごとになった」と話しており、ようやく映画の世界から現実世界に帰って来たようだ。