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作成日:2010年3月3日_記事番号:T00021232
台風8号水害の義援金、114億元が未使用のまま

昨年8月に台湾南部を襲った台風8号(アジア名・モーラコット)による大規模水害に対する民間からの義援金の約半分が、被災者支援に使用されず手付かずのままになっていることが分かった。
内政部が2月24日に発表した最新統計によると、台湾全土69の民間団体に寄せられた義援金は計222億台湾元以上。このうち114億元が震災後半年以上たった今も使われておらず、義援金使用率は49.5%にとどまっている。被災者に差し伸べられた愛の手が、十分に生かされていない状況だ。
例えば、赤十字に寄せられた義援金は約37億9,000万元だが、救急救助活動や慰問金などに約2億2,000万元が使われたものの、まだ約35億6,000元が残ったまま。国際人道支援団体NGO(非政府組織)、台湾の世界展望会(ワールド・ビジョン)では、義援金約12億4,000万元のうち、なんと11億5,000万元が未使用だ。義援金2,011万元を集めながら、まだ全く使っていない天主教(カトリック)会台湾地区主教団のような団体もある。
民間団体の義援金が生かされていない理由としては、被災者のための住宅を建てる場合、土地や建築許可の取得に時間がかかることも一因として挙げられている。内政部は各民間団体の義援金の使用状況を把握し、指導を強化する方針だ。
なお、内政部に寄せられた義援金は約65億3,000万元で、既に約64億5,000万元が使用済み。主には賑災基金会を通じて約40億元が、死者や行方不明者に対する弔慰金や被災者の住宅移転などに使われたという。また、中国に進出している台商(台湾人ビジネスマン)が寄付した約1億元の義援金は、すべて高雄県桃源郷の「撒拉阿塢」橋の再建に用いられる。