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「喪主は女性も可」、葬儀の女性差別にメス


ニュース 社会 作成日:2010年3月9日_記事番号:T00021349

「喪主は女性も可」、葬儀の女性差別にメス

 
 「未婚女性の位牌は実家の仏壇に祭ることはできない」「嫁いだ娘は実家の祖先の墓に参ることはできない」――台湾の葬儀儀礼の中には、まだこのような女性を忌避する風習が数多く残されている。行政院労工委員会(労委会)は婦女節(婦人デー)の昨日8日、民間の葬儀においてよく見られる男尊女卑の風習を正すため、納棺師免許の試験問題で女性差別ととらえられる回答を修正したことを発表した。

 王如玄労委会主任委員によると、納棺師を描いた映画「おくりびと」(2008年、滝田洋二郎監督)は台湾でも大ヒット。この職業に対する人々の一般的なイメージを覆したが、現実の葬儀儀礼には根拠のない女性忌避が満ちていることから、納棺師試験問題の修正に着手したという。

 例えば、これまでの問題では「親の葬儀で喪主を務める者」は「長男に限る」が正解だったが、修正後は「長女が長男よりも年長の場合、長女が喪主を務めることができる」となった。「しゅうと・しゅうとめが死亡して100日に満たないうちに自分の親が死亡した女性は、親の葬儀に参列できない」とされていた問題も、修正後は「参列できる」となった。「訃報文における署名の序列」の正解は、これまでの「男性が先、女性が後」から、「男女の別なく、年齢順」と修正された。

 呉永猛・台湾民俗信仰学会理事長によると、葬儀における男尊女卑の伝統は北部よりも南部で根強く残っているとか。伝統的な考えからなかなか抜け出せない葬儀業者が多い一方で、女性の社会進出による地位向上や少子化が影響しているのか、北部では女性主導型の葬儀も増加しているという。