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デルタ、太陽電池新工場に92億元


ニュース その他製造 作成日:2010年3月9日_記事番号:T00021378

デルタ、太陽電池新工場に92億元

 
 台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)傘下の太陽電池メーカー、旺能光電(デルソーラー)は8日、今後3年以内に92億6,000万台湾元(約260億円)を投じて新竹科学工業園区(竹科)竹南園区(苗栗県竹南鎮)に年産能力700メガワット(MW)以上の新工場を設置すると発表した。早ければ来年にも、年産能力を1GW(ギガワット)まで増強したい考えだ。台湾企業による太陽電池分野での投資としては、昨年来で最大規模となり、デルタが同産業の景気見通しを強く好感していることがうかがえる。9日付経済日報が報じた。
 
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 現在デルソーラーは、竹科、および中国・江蘇省呉江市に生産拠点を構えており、竹科工場の昨年末時点の年産能力は180MW。竹科工場では年産能力10MWの太陽電池モジュール用試験生産ラインも完成させており、少量生産を行っているほか、末端の太陽光発電システム領域での展開にも着手している。また、竹南新工場の設置と同時に、今年から操業を開始する呉江工場の生産能力拡充も行う。

 竹南園区の新工場が完成すればデルソーラーは、茂迪科技(モーテック・インダストリーズ)、?晶能源(ジンテック・エナジー)、新日光能源(ネオソーラーパワー)に続く、年産能力1GWクラスメーカーの仲間入りを果たすことになる。 今回の同社の大型投資決定は、台湾で最も早くから太陽電池分野に参入した大手電子メーカーの1社であるデルタが、同分野での発展に全力を投じる姿勢を示している。デルタは、昨年もデルソーラーが行った第三者割当増資に上限34億元で応じており、現在出資比率は52%となっている。

 台湾の電子メーカーは昨年来、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が太陽電池セル最大手であるモーテックに62億元の出資を決定、同業2位の聯華電子(UMC)も中国山東省済寧市にアジア最大の薄膜太陽光発電所設置を計画するなど、太陽光発電分野への投資を積極化している。その中でも今回のデルソーラーの投資は、董事会で正式決定したものとしては最大規模のものとなる。

太陽光発電産業、北部でも拡大
 
 これまで台湾の太陽光発電産業は、南部のモーテック、益通光能(イートン・ソーラー)を中心に発展してきたが、近年ジンテック、新日光が相次いで竹科に新工場を設置しており、北部へと広がり始めている。工商時報は、デルソーラーが今回新工場設置地点を竹南園区に決めたことや、春節(旧正月)前に鴻海科技集団(フォックスコン)の郭台銘董事長が苗栗県卓蘭鎮での太陽電池およびモジュール工場設置を表明したことを挙げ、「台湾の太陽光発電産業は、その重心を徐々に北へ移している」と指摘した。 
  
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