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高値のぞろ目番号紙幣、行員がこっそり抜き取り


ニュース 社会 作成日:2010年3月10日_記事番号:T00021380

高値のぞろ目番号紙幣、行員がこっそり抜き取り

 
 王さんは春節(旧正月)前、紅包(お年玉)用にと大量の100元札を銀行で新札に両替した。帰宅後、紙幣の番号に「6」の数字が続いていることを発見した彼女は、オール「6」のぞろ目番号「666666」を探した。ところが、連番の新札は「666665」の次が「666667」で、100万分の1の確率といわれる「666666」の紙幣だけが抜けていた。

 不審に思った王さんがよく見ると、新札の札束に掛けられていた帯封は、台湾銀行から同民間銀行に配送された際の透明のものではなく、紙製のものにすり変わっていた。帯封には行員の印鑑が押され、確かに枚数は間違いなかったが、コレクション価値のある「666666」だけがないとはやりきれない思いだった。

 一般に、特種なぞろ目番号の紙幣は、保存状態にもよるが、愛好家の間で額面の2~40倍という高値で取り引きされる。例えば100元札の場合、縁起の良いぞろ目番号の「888888」には4,000元もの値段が付く。「666666」や「333333」「777777」の取引相場は1,500元。1,000元札の場合もこれらのぞろ目番号には、2,100~6,000元の価格が付けられている。

 王さんからの投書を受けた新聞記者が調べたところ、「666666」の100元札を抜き取ったのは両替した民間銀行の女性行員だったことが判明した。この行員は最初は「自分のコレクションにした」と弁解していたが、「紅包として人にあげた」と言い替え、最後には「両替した金額に間違いがなければ問題ないでしょ」と開き直ったという。

 一般に消費者は銀行に対して特定番号の新札を要求することはできず、一般人が特種な番号の紙幣を入手するチャンスはほとんどない。ぞろ目紙幣などは目利きのベテラン行員がすぐ抜き取り、抜き取った後で連番紙幣をばらばらにしてしまうのが常らしい。

 中央銀行は、このように行員が特種な紙幣を抜き取ることを文書で禁じている。各銀行でも再三にわたり行員への通達が行われており、万一発覚した場合は処分の対象となるという。

 ちなみに、シンガポールやフィリピンなどでは、特種な番号の紙幣は公開オークションにかけられ、その収益は公益団体に寄付されている。台湾でもこのような仕組みにすれば、行員が役得を利用しようとするのを防ぐことができるかもしれない。