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作成日:2010年3月12日_記事番号:T00021439
島耕作が台湾で活躍?「舞台は高雄」=弘兼憲史氏
「島耕作シリーズ」の人気漫画家、弘兼憲史さん(62)が11日、台北市で出版社主催の座談会に出席し、800人のファンが話に聞き入った。
弘兼氏は山口県岩国市出身。早稲田大学法学部を卒業後、松下電器産業(現パナソニック)勤務を経て、74年に漫画家としてデビュー。1983年にスタートした「課長島耕作」は、会社員として働いた自身の経歴を生かし、80年代以降における日本社会の動向や企業で働くサラリーマンをリアルに描写した作品だ。シリーズ化された作品は台湾だけで90万部、全世界中で3,600万部の大ヒットとなっている。
台湾にも多くのファンを持つ弘兼氏は、座談会で、台湾を「島耕作」に登場させるなら、「世界でも有数の貨物中継地」である「高雄港」を背景にしたいとの考えを示した。弘兼氏は「2030年には中国が世界最大の経済体になる」と予測し、日中貿易で台湾人が果たす役割にも興味があると述べている。
シリーズ作品の中で、島耕作は幾多の困難を経て課長から社長にまで上り詰めてゆく。弘兼氏は「成功する男の条件」として、「よく気がつき、誰とでも対話して幅広い趣味を持ち、他人の長所をまねて学び取れること」と指摘した。円滑な人間関係を築くことも重要だとか。
「島耕作」では大企業内の派閥抗争や経営戦略のほか、多彩な女性関係も描かれている。半自伝的作品ともいわれるだけに、女性遍歴は弘兼氏自身の体験に基づくものなのかという質問も飛んだ。弘兼氏によれば「大半は銀座のママさんからのまた聞き」なのだそうだ。
なお、台湾では3月下旬からテレビドラマ化された「課長島耕作」(高橋克典主演)が放送される予定。新たな島耕作ブームが起こるかもしれない。