ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

半導体産業、下半期に成長鈍化=TSMC董事長


ニュース 電子 作成日:2010年3月18日_記事番号:T00021582

半導体産業、下半期に成長鈍化=TSMC董事長

 
 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は17日、世界の半導体産業は下半期から年末にかけて成長が鈍化するとの見方を示した。張董事長は金融危機の谷底から転じた昨年以降、業界景気予測の上方修正を重ねてきたが、今回は一転減速見通しを提示した。今年は18%の高成長率が期待できるものの、2011~14年は平均4~5%に落ち着くと見込む。18日付経済日報などが報じた。
T000215821

 
 張董事長の発言は、半導体業界団体、国際半導体連合(GSA)主催の会議で行われたもので、参加したあるIC設計業者は、「昨年下半期以降、反転成長が続いているものの、今年下半期の回復力と成長余地には限界があるということだ」と発言への解釈を語った。

 張董事長はまた、ハイエンドチップの生産能力不足に影響を受けるものの、今年のファウンドリー業界の成長率は29%と、証券会社を上回る予測を示した。今年1月時点で、昨年はマイナス17%だったと予測している。

 このほか、「半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する」というムーアの法則について、実現が困難になってきていると指摘した。理由として、技術的難度が上がってきている上、研究開発(R&D)コストや設備コストの上昇、工場規模の拡大など経済的な問題も挙げた。以前、0.13マイクロメートル製造プロセスのR&Dに取り組む半導体メーカーは15社あったが、45ナノメートルプロセスでは9社、32ナノでは5社、22以下はおそらく3社のみで、製造プロセスの先端化が進むほど参入メーカーが減少する傾向にあると説明した。

Q2楽観、フル稼働続く

 一方、同社の今年上半期の業績は見通しが明るそうだ。何麗梅財務長(CFO)は17日、「現在受注状況も顧客の反応も良好」と発言し、第1四半期売上高の目標達成に自信を示した。同社は先日の業績説明会で、第1四半期の売上高について前期比1.2~3.4%増の890億~910億台湾元(約2,500億~2,590億円)との見通しを示している。

 第2四半期は、クアルコムやブロードコムなど大手顧客からの受注が好調で、業界関係者はウエハー投入枚数が前期比15~20%増になると予測している。上半期の間はフル稼働が続く見通しだ。

【表】