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作成日:2010年3月19日_記事番号:T00021583
グーグルストリートビュー、麻薬中毒者の逮捕に貢献

米グーグルが2007年5月にスタートした「グーグルストリートビュー」は、世界各地でカメラを屋根に載せた自動車を走らせ、撮影した風景を提供するウェブサービス。現在、世界19カ国・地域をカバーしており、09年8月からサービスが始まった台湾では、14県市の街の風景を見ることができる。
このほど、このストリートビューが麻薬中毒者の逮捕に重要な役割を果たしたことが分かった。屏東県潮州警察分局に3月初め、「万巒郷中正路に麻薬中毒者が出没している」「禁断症状が出ると、大声で通行人に当たり散らしている」という通報が入った。そこで、警察官がグーグルストリートビューで指摘された場所を確認したところ、バイクに乗った男性が画面に現れた。それを見た通報者は思わず「あ、こいつだ!」と叫んだ。
この男性は窃盗、薬物所持など計18件の前科を持つ李桂来容疑者(45)で、中正路には李容疑者の父親が住んでいることが判明した。
しかし、それだけでは捜査令状は出ないため、現地に行って写真を撮り、ストリートビューの画像と照らし合わせて李容疑者がこの場所に出入りしていることを証明。こうして、捜査令状を取ることができたという。
18日午前8時頃、ちょうど中正路にいた李容疑者は、捜査に訪れた警官とバッタリ。注射針の痕は隠せず、麻薬使用を認めるしかなかった。警察は李容疑者を逮捕し、ヘロインと注射器を押収して一件落着となった。
李容疑者は逮捕後、ストリートビューの画像で自分の姿を認めてびっくり。「こんなものがあるとは全く知らなかった」と語った。父親宅へは週2~3回出入りしていたという。偶然にもその姿をストリートビューのカメラに撮影されるとは、よほど運が悪い。
ストリートビューには、最近花蓮市の画像の中に全裸女性が写っていたことが分かりグーグルが削除するトラブルがあったばかりで、プライバシー侵害と批判の声も多い。今回は犯人逮捕に役立ちはしたものの、やはりその懸念はぬぐい切れない。