郝龍斌台北市長は18日、支柱下部の土砂流出により、約１年半にわたり運転を休止している同市の猫空ロープウエーについて、30日から正式に営業を再開すると発表し、23日から28日（午前９時～午後５時）まで１日延べ１万人を対象に、無料試乗を実施すると表明した。19日付自由時報が報じた。
民進党台北市議会議員によると、猫空ロープウエーの１年半の停止による損失は、運賃、周辺の観光産業生産額、点検や改修工事費用、合わせて13億7,000台湾元に上るという（18日＝中央社）
郝市長は、これまでの点検・改善の結果に対し、中華民国土木技師公会全国聯合会から保証が得られ、点検を監督する委員会から営業再開前に改善するよう求められていた項目も基準を満たし、システムの安全に問題がないことが確認できたため再開を決めたと説明した。
台北市によると、支柱の基礎部分などにセンサーを取り付けて安全を監視するとともに、各ゴンドラの上部２カ所に換気口を設け、車内が暑くなり過ぎる問題を解消したという。
しかし、市に不信感を抱く周辺住民からは、「『現状鑑定』を『安全鑑定』に置き換えて再開を強行するとは、利用者の命を軽視している」と安全を疑問視する声が上がっており、一部で「搭乗拒否」運動も起きている。
