19日付経済日報が中国メディアの報道を基に伝えたところによると、鴻海精密工業傘下の富士康国際（ＦＩＨ）が昨年12月、中国で雇用する従業員と団体交渉を行い、全70万人に対し年内に昇給を行うこと、および今後は毎年12月に団体交渉を行うことを盛り込んだ合意書に署名していたことが明らかとなった。なお、深圳工場の生産ラインで働く従業員約30万人の昇給幅は平均３％以上だという。
富士康は2008年９月にも広東省深圳市の労働者団体、深圳市総工会から、従業員と賃金に関する交渉を行うよう求められたが、その際はコスト増を嫌い応じなかった。しかし、昨年下半期から受注が急増して労働者の確保が困難となったため、富士康側も交渉が避けられないと判断し、昨年12月に深圳工場の従業員と合意書を交わした。
深圳総工会はこれまで、世界大手500位に入る145社に対し従業員との団体交渉に応じるよう求め、このうち半数以上が既に賃上げを決定したとしている。
