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作成日:2010年3月24日_記事番号:T00021669
小学生の幸福度調査、北部は過去最低に
雑誌『講義』が23日に発表した「2010子どもの幸福度調査」の結果によると、自分が「幸福」だと感じている台湾小学生の割合は77.3%で、2001年の調査開始以来、次ぐワースト3の低さとなった。
このアンケート調査は2009年末、全国22県市の42小学校、3~6年生の児童2,200人を対象に行ったもの。有効回答数は2,092人だった。
調査では「今、幸福ですか?」の質問に対し、「幸福」と回答した児童は昨年よりも6.1ポイント減少。幸福を感じる理由としては、「温かい家」「父母の関心」「父母と一緒」などが挙げられている。
地域別では東部が90%と幸福度が最も高く、北部は71.7%と過去最低を記録。北部の児童は物質的には恵まれているといえるが、それが必ずしも幸福にはつながっていないようだ。
一方、「幸福ではない」と回答した児童は5.6%で、原因は「学業のプレッシャー」(16.8%)、「親にしかられるのが怖い」(14.4%)、「父母が忙しくて一緒に過ごす時間がない」(10.4%)が上位を占めた。子どもたちのストレスのはけ口は、コンピューターやテレビ、音楽などが大半を占めたが、中には「人形を殴る」「物を投げる」という回答も。
また小学生の肥満が増える中、「太っているので楽しくない」は、昨年比7.9ポイント増の40.8%で過去最高を記録した。「格好悪い」「友達に笑われる」がその理由で、男子(41%)のほうが女子(0.5%)よりも肥満を気にする傾向が見られた。
また、「校内での安全が心配」は、昨年比2.2ポイント増の54.9%で、こちらも過去最高を記録。理由では、「暴力」(36%)、「盗難」(31.9%)、「性的暴行」(21.9%)が上位3位を占めた。特に年々増加している「性的暴行」への心配は過去最高に達し、地域別では東部が最も高かった。
調査の結果について、第一社会福利基金会の柴松林董事長は、「幸福を感じる子どもが減っているのは、大人の責任」と指摘。台湾大学医院児童心理衛生センターの蔡文哲医師は、「子どもには、お金よりももっと多くの時間を割くべき」とコメントしている。